【プランナーの私ならこうする!】時代に合わせたペーパーアイテムのベストコンビネーション
結婚式に向けてのアイテムの準備は大変です。
結婚式当日までに、新郎新婦にとって必要な衣装などのアイテムのほか、ゲストへ振る舞う料理や飲み物のラインナップ、会場を彩る装花など、いろんなことを検討しないとなりません。
どのアイテムもそれぞれの新郎新婦により組み合わせが異なり、また全てが揃うのが結婚式当日のみであるため具体的に想像し難く、「私たちの場合は」を考えるのがとても難しい。
最近はSNSを利用して情報収集をすることが多く、素敵なアイテムをたくさん見つけることができるので、「私たちの場合は」に擦り合わせるために、皆様とても悩んでいます。
そこで、今回は、最近の結婚式の傾向を鑑みて、ウェディングプランナー目線で「私ならこうする」というペーパーアイテムの組み合わせをご紹介したいと思います。
結びには、少し面倒なくらいの、私の結婚式へのこだわり秘話を添えました。
参考になりますと幸いです。笑
テーマは、利便性と効率、合理性
今、結婚式の準備をするなら、私が一番に考えることは「利便性」「効率」「合理性」です。
デザインにはもちろんこだわりたいですが、それ以上にゲストの役に立つように、かつ無駄を省きたい。
その場合の「無駄」というのは、費用や自分自身の時間の無駄ではなく、ゲストの手間や時間を無駄に使う事柄を省くこと。
その代わりに自分自身の時間を使うことになりますが、それは招待する方々が自分たちのために時間やお金を使い結婚式に来ていただくためには必要なことだと思います。
利便性
私が考える結婚式における「利便性」は、「一目見れば確認したいことが見つかる」「いつでも確認したい時にその情報を見つけることができる」こと。
そのためには、「知りたいことがすぐ見つかる仕様になっている招待状」が必要です。
交通の便やアクセスのしやすさを重視して場所を選ぶ実質的な利便性も必要なことだと思いますが、交通の便やアクセスが良くない場所での結婚式でも、結婚式を楽しみに思っていただくことができれば、それは不便に勝ります。
もし、ふたりが気に入った思い出の地に選んだ場所がぺんぴな場所であったとしたら特に、どう案内すればゲストにとって負担が減るか、その場所に行きやすくなるか、その場所が楽しみなるかを軸に考えていきます。
効率
効率が悪いことをできるだけ無くしていきたい。
招待状発送前にゲストへ連絡して、結婚式を行うことを報告しますよね。
招待状の送り先を聞く際には、参加できるかどうかの回答もほぼ聞けるはずです。
既に出席できることを聞けているのに、返信葉書は必要ありません。
ただ、返信葉書を利用する点で重要なのは、ゲストの名前や漢字に間違いがないかの確認をすることが含まれます。
その点も、現在ならLINEやメールもありますので、間違いが起こらないよう注意を払うことは充分にできるはずです。
返信葉書には、出欠確認のほか、ゲストがお持ちのアレルギー情報を書いていただくことが増えています。
それもまた会話の中で確認できることですので、ゲストの手を煩わせないとならないことではありません。
合理性
合理的なオペレーションを目指したい。
ペーパーアイテムには、ゲストを誘導する役目があります。
素敵なペーパーアイテムはたくさんありますが、ゲストをおもてなしするために役に立つアイテムでなければ不要と考えます。
一例として、プロフィールブックの構成を挙げます。
プロフィールブックは「新郎新婦のことを知ってもらいたい、紹介したい」という観点で制作しますが、新郎新婦の「好きなもの」や「苦手なもの」などは、その先につながらないため必要と思いません。
でも、「好きなもの」から披露宴中に提供される食べ物につながるようなら、伏線回収により楽しみや驚きが生まれます。
用意する品全てに意味がある仕様にしたいと思います。
これがあるからこれができる、そういったアイテム同士に繋がりのあることを目指します。
「SAVE THE DATE」を用意する
海外では結婚式の最初のステップとなる、「SAVE THE DATE」というアイテムがあります。
「SAVE THE DATE」とは
「セーブ ザ デート」は、結婚式へ向けてのスタートとして、ゲストに結婚式を行うことを知らせるアイテムです。
招待状とは異なり、目的は「結婚式を行うこと、日時を知らせること」
「この日に結婚式を挙げるのであけておいてね!」というお知らせです。
招待状とは異なりますので、出欠の返信を求めません。
また、発送する時期はいつでもOK。
「SAVE THE DATE」は、一般的に結婚式の招待状を発送する結婚式の3ヶ月前よりも前に送ります。
結婚式の日程を決めたのが2年前であっても、出席していただきたいたいせつな方へ、先に日時を知らせることができます。
「SAVE THE DATE」は、遅くとも結婚式の半年前までに送るのが良いと思います。
「SAVE THE DATE」の良さ
「SAVE THE DATE」の良いところは、3点あります。
◆ 一般的な招待状よりも早く知らせられる
結婚式の招待状を送る時期の一般常識に関わらず、知らせたいタイミングで、かつ間際になる招待状よりもずっと先にゲストに日時を知らせることができます。
結婚式が決まってから期間がある場合は、友人同士でも「いつだった?」「○月○日だったよね?何時くらいから始まるの?」などの会話が生まれます。
「SAVE THE DATE」がゲストの手元にあれば、ふと思った時に、連絡を取らずともいつでも確認してもらうことができるのです。
◆ ゲストも新郎新婦も予定を計画しやすい
一般的な招待状の発送時期は結婚式にかなり迫った3ヶ月前のため、密に連絡を取れていないゲストにとっては突然の知らせになってしまうことも懸念点。
「SAVE THE DATE」をあらかじめお送りできていれば、ゲストにとっても計画しやすく親切です。
新郎新婦にとっても、早めに予定を打診できることで、宿泊や交通機関の予約などの事前準備に役立ちます。
◆ 新郎新婦に余裕がある時期に動くことができる
「SAVE THE DATE」を送る時期は式場との具体的な打ち合わせが始まる前のタイミングなので、新郎新婦にとって余裕がある時期です。
そのため、ほかの準備に追われることなく、ゲストと密に連絡を取り合うことができ、心配りに専念できます。
「SAVE THE DATE」のデザイン、仕様
「SAVE THE DATE」を送るタイミングでは、結婚式全体のイメージがまとめられていない可能性もあると思います。
そんな時は、印象や特別なインパクトを与えないホワイト系の色味で合わせ、個性の強すぎない書体を使用した、シンプルなデザインを採用します。
ゲストに知らせる内容は「日時」「場所」「招待状はあらためて送ります」の3点がメイン。
「SAVE THE DATE」の目的は、おおまかな情報をお知らせして、結婚式の日程を気に留めていただくことです。
招待状は結婚式のコンセプトと新郎新婦の人柄が伝わるものにする
続いて、一般的な時期に合わせて招待状を発送します。
結婚式の招待状を発送する時期は、一般的に結婚式の3ヶ月前、返信期日を結婚式の1ヶ月前に設定します。
結婚式の招待状で最低限揃えるアイテムは、主催者がわかる挨拶文、日時のご案内、返信、差出封筒。
でも、今の時代の結婚式に重要なことは、それら一般的な内容に加えて、どんな結婚式を計画しているか、どのようにおもてなしするつもりか、どんな時間をゲストとともに過ごしたいか、を伝えることだと思います。
招待状で結婚式のコンセプトを表現する
どんな結婚式を計画しているか、どのようにおもてなしするつもりか、どんな時間をゲストとともに過ごしたいか、を伝えるために、日時のご案内に加え、結婚式のコンセプトやたいせつにしたいことが伝わるアイテムをプラスします。
そこには、結婚式をゲストとともに彩りたい色味を決めることができれば、ドレスコードのお願いも含まれるかもしれません。
ドレスコードは、一体となってパーティーを楽しむために必要なことです。
参考記事:
【ドレスコードは身勝手?】答えはNO!ドレスコードはおしゃれ見えのためだけじゃない♪
招待状にプロフィールやラブストーリーをプラスする
新郎新婦のプロフィールやラブストーリーを、結婚式当日のプロフィールブックやディスプレイとして用意されることが多くあります。
私は実は…
結婚式当日には新郎新婦が目の前にいてコミュニケーションできるのに、新郎新婦から目をそむけるような冊子は必要なのだろうか、と疑問に思っています。
披露宴開宴前や受付前後など、多少の待ち時間はありますが、数時間も空きがなければゲストは暇ではありません。
ウェルカムドリンクや眺めを楽しんだり、ゲスト同士会話をしたり、メニュー内容を読みながらわくわくしたり、どんなゲストが来られているか会場を見渡したり。
日本人はあまりパーティー慣れしていないため、あらたまった場は緊張します。
特別で賑やかな空間の中、心を落ち着けて、パーティーをゆっくり楽しむには、少し暇な時間は必要だと思います。
だからといって、新郎新婦を知っていただく機会がないのも寂しい。
それであれば、ゲストが招待状をご覧になるタイミングで自己紹介をできた方が、効率的、合理的だと思うのです。
◆ 招待状時にプロフィール、ラブストーリーをプラスするメリット
招待状にプロフィール、ラブストーリーをプラスするメリットは2つあります。
一つ目は、招待状を受け取ったのち新郎新婦を身近に感じてくださり、ゲストとの会話の種になること。
二つ目は、結婚式当日に会うのが初めてのゲストも、プロフィールを知ってくださることでリラックスして会話ができる効果があること。
どちらも、結婚式という特別な日のハードルを少し下げてくれます。
ゲスト自身と、新郎もしくは新婦との繋がりだけでなく、たいせつな人が結婚を決めた相手のことを結婚式当日よりも早く知ることができ、緊張が緩み、楽しみがアップすると思います。
参考記事:
【招待状にこそプロフィールを!】結婚式前にふたりに会えたような気持ちになるアイデア
招待状でサプライズを!【ストーリーカード】をプラスするアイデア
メッセージカードを書く
私は、招待状にメッセージカードをプラスすることをおすすめしています。
招待状は文字印刷ばかりで、仕上がりは綺麗ではありますが、無機質です。
人のぬくもりを伝えるには、手書きのメッセージが一番。
ご提案しているインビテーションブックを一例にご覧いただきます。
インビテーションブックは、ゲストのお名前から始まります。
ひとりずつ記名するのも良いし、少なくともこのインビテーションブックのように「皆様」ではなく「あなた」への招待状となるような表現にしたい。
参考記事:
【新しい招待状のかたち】誰からも届いたことがない、特別なインビテーションブック
ゲストカードをプラス
コロナ禍で注目度がアップしたゲストカード。
招待状に記名入りのゲストカードを封入することで、結婚式当日の受付時の記名の手間を省くことができます。
ゲストカードの裏面には、日時のほか会場地図へのリンクも載せて、カード1枚あれば結婚式に参加できる、スマートな体験ができるはず。
参考記事:
【定番アイテムのゲストカード】シンプルで機能的、一味違うスマート体験ができる歌の音madeのゲストカードを紹介します
これからの時代の招待状セット
まとめると、今私が結婚式を挙げるなら、招待状には下記を用意します。
◆ 挨拶文
一般常識にとらわれず、礼儀を守りながらも「あなた」に語りかけるような文章の挨拶文を作ります。
◆ 日時の案内
一般的に、受付、挙式時間、披露宴時間を入れますが、披露宴おひらきの時間もわかる仕様にします。
最近人気のタイムラインを日時のご案内と組み合わせるのも、わかりやすくて良いのかもしれない。
◆ 返信
招待状発送時に既に都合を確認できている可能性が高いので、返信は要しません。
招待状が届いた頃にゲストとコミュニケーションを取り、アレルギー情報や交通手段、都合などの再確認をします。
招待状に乾杯や祝辞のお願いの付箋を封入することがよくありますが、直接口頭でお願いするに留めます。(付箋は、必ずゲストに先に打診してから招待状に封入するものです)
◆ コンセプト・ドレスコード
結婚式のコンセプトをゲストに伝え、叶えたい結婚式についてあらかじめ伝えます。
コンセプトを伝えることで、当日を全員で彩るためのドレスコードをお願いするのも、一体感が生まれる要素のひとつ。
◆ プロフィール紹介・ヒストリー
新郎新婦の人柄を、招待状の段階でゲストへ伝えます。
結婚式の日に会うのが二度目のような感覚になり、スタートの瞬間から場があたたまったパーティーにしたいと思います。
◆ 手書きメッセージ
いつも会う人にも、久しぶりに会う人にも、手書きのメッセージを添えて、感謝と喜びの気持ちを伝えます。
◆ ゲストカード
パーティー仕様の着こなしを邪魔しない、便利なゲストカードを用意します。
これらを封筒に入れて、字は上手ではありませんが、1通ずつ宛名を手書きし、招待状を発送します。
招待状は、ゲストへのファーストコンタクト。
見た目やデザインも重要ですが、「ゲストへ伝わるふたりの気持ち」もたいせつにしたいと思います。
web招待状は使わない
web招待状はとても便利なシステムで効率的、現物費用もかからず良いものとされていますが、私はweb招待状を使いません。
コロナ禍では人や物との接触を避けるために必要で状況にピッタリなアイテムでしたが、コロナ禍から変化した今では、web招待状はゲストにとって便利なようで便利ではない点ばかり。
招待状が送られてくるのは結婚式の日から3ヶ月も前です。
実際に結婚式が近くなったとき、3ヶ月も前のLINEやメールのメッセージを、すぐに確認できるようにマーキングしている方はどれほどいらっしゃるでしょう?
web招待状には地図リンクも入っていますが、地図にたどりつくまでにスクロールしてリンクを探すことにも手間がかかり、実際は不親切。
紙招待状で目で見て確認できることはとても便利で、安心感もあります。
web招待状は費用もほぼかからないため、できるだけ費用を節約したいところではありますが、「招待状」という始まりのアクションはたいせつにしたい、そう思います。
結婚式当日のペーパーアイテム
結婚式当日のアイテムは、できるだけシンプルに、わかりやすく、扱いやすく。
エスコートカード&テーブルサイン
まず、受付でゲストに渡せるエスコートカードと、A、B、Cなどのテーブルサインを用意します。
受付では席次表はお渡ししません。
席次表はサイズも大きく、挙式前受付であれば特に、挙式中、ゲストにとって邪魔になってしまいます。
席次表は、披露宴から必要なアイテムなので、披露宴開宴前にお渡しするべき。
エスコートカードであれば、スーツのポケットや小さなパーティーバッグにもしまうことができます。
エスコートカードを兼ねた、メッセージレターも素敵だなと思いますが、招待状にメッセージを書いているので悩むところ…
席次表
招待状でプロフィールなど自己紹介しているため、席次表にはプロフィールは入れず、プロフィールブックも作りません。
シンプルで見やすい席次表を用意します。
もしこだわりどころがたくさんでちょっと自慢したいなら、BGMセットリストや手作りアイテム、協力してくれた友人などの紹介を入れるのは良いかなと思います。
また、席次は受付では渡さないので、会場入り口にテーブル等を両端に置いて、テーブル上のバスケットなどに入れて、飾っておきます。
ゲスト自身に手に取っていただくアクションがプラスされて、より楽しい雰囲気作りができると思います。(^ ^)
席次表には、ゲスト紹介を入れたい。
席次に入れるゲスト紹介といえば「肩書き」ですが、肩書きにプラスして、ひとりずつか、グループごとでゲスト紹介やエピソード紹介を入れたい!
読み物にもなって、ゲストの顔ぶれを観察するのが楽しくなります。(^ ^)
席次は会場そっくりのレイアウトではなくて、おしゃれさもあるチャートスタイルを選択します。
席札&メニュー
「食事」をたいせつにしたいので、レストランでの食事と同じように、席札とメニューはゲスト席に置きます。
制作アイテムの席札の中でいちばんのお気に入りは、実は写真入りの席札。
きっと今なら、思い出写真を載せた席札を用意します。
フォト席札の裏にメッセージを書くのも素敵だなと思います*
昔、私が子どもの頃の時代には、写真はデータ管理ではありませんでした。
フォトアルバムの写真の裏を見ると、日付や思い出が書かれていました。
フォト席札の裏にメッセージを書くことで、そういった少し懐かしい、ノスタルジックな、エモーショナルな雰囲気にできそうです。
実は私は、席札の裏面にメッセージを書くのは反対派です。
10年以上前、席札裏にメッセージを書くアイデアが出始めたころはサプライズ的で素敵でしたが、最近はメッセージがどこかに書かれていることが増えて、席札の裏にメッセージあるかな?と探してしまう…
そうなってくると、席札の裏のメッセージは空きスペースの有効活用になってしまったな…と思っているのです。
席札の裏にメッセージを書くなら、きちんとメッセージカードを用意したり、封筒入りにしたり。
現代では、「ついで」に見えないきちんとした方法で、感謝のメッセージをしたためた方が良いと思います。
重きは招待状に
結婚式の始まりのアイテムは「招待状」です。
ペーパーアイテムで一番比重を置くべきは、招待状。
ゲストへのファーストコンタクト、いちばん初めのお知らせ。
招待状でどんな結婚式かをしっかりと伝え、結婚式までの数ヶ月の間に楽しみに気に留めていただくことができれば、とても嬉しいことだと思いませんか。
招待状アイテムの中でも、コンセプトやドレスコードにこだわることはいちばんのおすすめ事項。
日本の結婚式ではドレスコードを指定されることは珍しいですが、ふたりが用意した空間に、ゲストが思い思いの方法で選び、イメージが絡み合ったコーディネートが揃うのはとても楽しみです*
「ドレスコード」は、テーマカラーのリクエストであったり、カジュアルな服装のリクエストであったり、キャラクターアイテムであったり、新郎新婦により十人十色な楽しみ方ができます。
「ハチミツ(honey)」をコンセプトに「硬い絆のハニカム構造」や、「ドラえもん」をコンセプトに「どこでもドアな結婚式」、「ポケットモンスター」がコンセプトで「君に決めた!」など、コンセプトから派生する楽しいアイデアは無限にあります。
そうしたちょっとくだらない想像を膨らませることも、新郎新婦が結婚式を楽しむ方法の一つです。
「おしゃれさ」や「見たことがない珍しさ」探しで頭の中がいっぱいにならないように。
新郎新婦が持っているワクワクは、ゲストにも伝わります。
2007年の結婚式と現代の結婚式との比較、私の考え
私は、2007年に結婚式をしました。
当時現役のウェディングプランナー。
お客様が用意される結婚式アイテムのアイデアはもちろん、常にアンテナ張って海外のウェディングや素敵なもの、その時の流行も知っていて、それはそれは選択に苦悩したものです。
それでも当時、今の考えと同じように、「目の前にいるんだから不要」と披露宴当日のアイテムにプロフィールは用意しなかったし、席札とプチギフトを兼ねて、ゲストお見送り時の自分の目線がプチギフトが入ったバスケットとゲストの手との往復に必死にならないように注意したし、ウェルカムボードも式後も長く飾れるように、WELCOME〜は控えめに、ゲストに入れてもらうサインをメインにして、ゲストブック代わりにしました。
お色直し衣装にも必要性を感じておらず、お色直しの意味をすごくすごく考えて、未婚の女性しか着れない引振袖を着て、登場からデザートタイムにつなげ、パーティー感をアップさせられるよう計画しました。
一つずつのアイテムについてよく考えて、当たり前から脱却し、要不要やおしゃれかどうかだけでなく、それをどのように役立てるか、どんな役に立つか、深く検討し意味をつけてきました。
当時はまだ結婚式まわりの常識感や一般的な決まりが強く、自由なことはあまり多くありませんでした。
知識として身につけていた頃なので不自由にも思いませんでしたが、ある程度の決められた枠の中ではありつつ、いちばんの「私たちらしさ」を表現した結婚式を作りました。
その後も結婚式の仕事に関わって時代の変化を見てきて、今現代の結婚式はとても自由になっていると感じます。
ただ、自由な表現と自分本位は違って、やりたいことを中心に考えると、招待されたゲストに嫌な思いをさせてしまうことがあります。
きちんと常識を知り、当たり前を知り、決まりを知り、その古くさい決まりの理由を深掘りしてこそ、そこから先の「結婚式の自由」があると思います。
そんなものいらない、なくていい、だけではなくて、なぜ必要とされていたのか、も、たいせつなこと。
そんなことを考えながら、もし今私が結婚式をするなら、結婚式場は選ばないし、ご祝儀制にもしない、司会者も必要ない。
高価すぎるドレスも着ないし、お色直しもしない。
ゲストへの招待状に重きを置き、結婚式当日は必要性を意識して意味を凝縮させたアイテムを集める。
高価なドレスでなくても、小物使いにこだわっておしゃれを楽しみたい。
着飾らずに自然体で、新郎新婦とゲストが集まる時間をめいっぱい楽しむ結婚式を実現したい、そう思います。
それでもきっと、挙式は、神社や街の教会できちんと挙げたい、そう思うはず。
実際の結婚式でもそうでしたが、式場のチャペルで抱き合わせで挙式するのは嫌だった。
街の教会に挙式を挙げたいとお願いに行き、数度のカウンセリング(牧師先生のお話)を受けて。
結婚式当日も、牧師先生からのお祝いの言葉をとても楽しみにしていました。
ふたりで歩み始める方法を、きちんと選んだつもりです。
一方で、最近見かけるような、牧師を友人にお願いしたり、面白い一風変わった入場をしたり、笑いが起こるような楽しい挙式は、挙式とは違うと思っています。
おもしろいことをしたいなら、わざわざ挙式料を払ってまで挙式をする必要はなく、披露宴で充分、それこそもったいないお金の使い方。
また、ベールダウンやジャケットセレモニーをしたいなら、ゲストの前で演出として行うのではなくて、しっかりと時間をとって控え室で会話をしながら行うべきだと思います。
私は、「演出」は「そういった真似」でしかないという考えを持っていて、一番たいせつな時間を皆んなの前で緊張しながら入場の流れの短時間でパッと済ませることを疑問に思っています。
ベールダウンやジャケットセレモニーは家族にとってたいせつな時間のはずなのに、本当にただの演出で良いのかどうか。
家族で集まり、挙式へ向かう花嫁、花婿の支度を整える。
その時間には張り詰めた緊張はなく、あたたかい言葉や嬉しい涙があると思います。
ファーストミートも、肩トントンの距離感、それで相手の全てが見えますか。
正直、お顔しか見えない。
「どんな反応をすれば正解かわからない、期待に応えようとオーバーリアクションしてしまったらどうしよう。」
「期待通り、期待以上の反応をしてくれるだろうか、その時どんな顔をすればいいのだろう。」
雑念が多すぎます。
少し昔話を…
まだファーストミートが流行する全然前、新郎さまが仕事でいそがしく、新婦さまのドレス姿を見れていない、というご夫婦の結婚式を担当し、式服に着替えたふたりが挙式前に初めて顔をあわせる時間をつくりました。
新婦が先に式場に入り、後ろ姿で新郎を待つ。
新郎が式場に入り、後ろ姿の新婦の名前を呼ぶ。
新婦が振り返り、お互いに特別な服に身を包んだ全身を見て、照れながらも嬉しそうに笑うふたりの姿、今も心にのこっています。
その距離感は日本人らしく、少しもどかしく、初々しく、愛おしい気持ちでいっぱいになりました。
つまりは、何ごとも意味を持つように。
結婚式は意味や意義のあるものなので、ひとつのアイテムをたいせつにして、なんとなく決めずにしっかり想像して。
どんなアイテムもベストな選択をし、ベストな組み合わせを作っていってくださいね!
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関連情報
ウェディングデザイナーが届けるオーダーメイドのペーパーアイテム | 歌の音
”ふたりのウェディングをデザインする”
をコンセプトに
結婚式・披露宴に必須な招待状や席次表
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